DXアセスメントを活用し、全社リスキリングを推進。八千代エンジニヤリングのDX人財育成

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八千代エンジニヤリング株式会社 様
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事業内容

国内トップクラスの総合建設コンサルタントとして、国土交通省を始め官公庁から公共事業を受託し、社会インフラや環境保全に関する技術コンサルティングサービスを、設立より60年以上にわたって提供しています。 近年は、これまで培った技術ノウハウを民間企業へも提供しビジネスの領域を広げています。

社員数

1,314人(技術1,027人・事務287人)[2024年7月1日現在]

利用目的

全社導入

技術管理本部 技術管理部 シニアプロフェッショナル 佐藤 環 さん(写真左)
技術管理本部 技術管理部 技術管理課 シニアアソシエイト 佐藤 朱美 さん(写真中左)
技術管理本部 技術管理部 部長 兼 DX推進室 シニアプロフェッショナル 片山 善郎 さん(写真中右)
技術管理本部 技術管理部 技術管理課 課長 兼 DX推進室 プロフェッショナル 中田 泰輔 さん(写真右)
(※部署、役職は取材当時のものです)

社会課題を解決する総合建設コンサルタントとして事業を展開している八千代エンジニヤリング株式会社。主に、河川、ダム、砂防、まちづくり、道路や橋梁など社会インフラ整備に係る計画、調査、設計を官公庁などから受託しています。

同社はDX推進を加速するため、デジタル人財育成のためのリスキリングを推進しています。全社員のデジタルスキルの基礎知識習得のため『GLOBIS 学び放題』を全社導入しました。また、知識レベルの達成目標にDXリテラシーアセスメント(以下、DXアセスメント)を活用し、約半年間で受験率99%、正答率70%の達成者は86%(※2025年1月現在)と高い成果を実現しています。slackでの学習進捗共有や自社作成のBI(Business Intelligence)基礎講座の活用など、効果的なリスキリング施策を展開しています。

本記事では、八千代エンジニヤリングがどのようにデジタル人財育成を行っているのか、その具体的な取り組みをご紹介します。
(※所属、役職は取材当時のものです)

課題
  • ビジネス環境の変化に対応し、既存事業の変革、新規事業や新たな領域への進出が必要で、そのために必要なマインドセットやスキルを習得する必要があった
  • 技術管理本部が主導し、ゼロから「リスキリング実施計画」を作成する必要があった
導入理由
  • デジタルスキル標準に準拠したDXアセスメント機能があり、社員の学習状況を定量的に把握できる
  • DXアセスメントの活用により、個々のスキルに合わせた学習プランを提供できる
  • 学習しやすいコース設計、コンテンツが短時間で区切られており、スキマ時間を活用しやすい
活用方法
  • スキルレベルを4段階に分け、まずは全社員をLevel1からLevel2にするため、社員のスキルに合わせた学習を促進
  • 社員はDXアセスメントを受験し、その結果に基づいてリコメンドされたコンテンツを学習
  • DXアセスメントの正答率目標を設定し、目標を明確化
  • 目標達成率を可視化し、達成状況をslackで全社共有
  • BI基礎講座といった自社で作成したe-ラーニングコンテンツも組み合わせることで、デジタル技術の知識取得に留まらず活用を促進
導入後の効果・成果
  • DXアセスメント受験率99%、正答率70%達成者86%を実現
  • 社員のデジタルスキルが向上し、DXに対する意識が高まる

DXの第一歩。全社員がデジタルの知見を身に付ける

貴社の事業をとりまく環境と、人財育成における課題について教えてください。

片山 善郎さん/当社は建設コンサルタントとしての事業を軸に、主に道路や橋、ダムといった社会インフラの整備に関する計画・調査・設計・施工管理・維持管理業務などを担っています。

現在、ビジネス環境は、データ活用やデジタル技術の進化により、データ・デジタル技術を活用した産業構造が大きく変化しています。国が掲げる「Society5.0(サイバー空間とフィジカル空間が融合した社会)」の実現に向け、経済発展と社会課題の解決を両立させる取り組みが進んでいます。

そこで当社ではこうした時代の変化を踏まえながら10年単位の長期経営方針を策定し、それを3年ごとの中期経営計画に落とし込んでいます。現在は最終計画の第3次中期経営計画となりますが、その前の段階の第2次中期経営計画で、「DXを推進していく」と明確に掲げたのです。

そこで組織が整備され、事業面でのDX(業務効率化や新しいイノベーションの創出)と、社内業務改革としてのDX(仕事のやり方そのものの抜本的な変革)を同時に進めることになりました。

これらを実現するには社員一人ひとりがデジタルの知見を身に付ける必要があります。そのため「リスキリング」が不可欠となりました。

技術管理本部 技術管理部 部長 兼 DX推進室 シニアプロフェッショナル 片山 善郎さん

中田 泰輔さん/当社の事業は官公庁向けビジネスが9割を占めています。日本において公共事業の新設事業が縮小され、維持管理業務へシフトすることに伴い、ビジネスチャンスが縮小しつつあるという課題があります。こうした状況を受け、長期経営方針スタート時には、新規事業として民間領域への積極展開を打ち出しました。これは、当社にとって大きなポートフォリオの変化の一つです。

しかし、官公庁向けビジネスの経験しかない社員にとって、いきなり民間向けの事業を進めることは簡単ではありません。私自身も現場にいた際、その難しさを痛感しました。そういう意味で、新しいスキルや知識を身に付けていく「リスキリング」の必要性が出てきたのです。

リスキリングに取り組む上で、貴社はこれまでどのような教育環境があったのでしょうか。

中田 泰輔さん/当社では以前から教育制度は整備されていました。全社員約1,300名のうち、技術系社員が1,000名以上を占めるため、技術管理部が主導し、国家資格である「技術士」の取得に向けた学習サポートを行ってきました。また、人事部では階層別の研修などを実施するほか、『GLOBIS 学び放題』も希望者を募る形式で毎年200〜300人ほど導入していました。

技術管理本部 技術管理部 技術管理課 課長 兼 DX推進室 プロフェッショナル 中田 泰輔さん

技術管理本部が主体となって全社のリスキリングを行うことになり、具体的にはどのように取り組んでいったのでしょうか

片山 善郎さん/まずは、「リスキリング実施計画」を作っていきました。社員がDXに取り組むためには、まずはゼロから「リスキリングとは何か」を考え、どういう人財を育てる必要があるのかを明確にすることが重要でした。その後、教育体制をどう整えるか、どのサービスやツールを活用するのか検討していきました。

中田 泰輔さん/それまで当社には「リスキリング実施計画」というもの自体がなかったため何もない手探りの状態からのスタートでした。中長期的な経営計画、経営陣が社内向けに発信している今後のビジョン、そして先行して設立されたDX推進室の計画などを読み解きながら、「会社にとって必要な人財とは」を考えていったのです。

リスキリングとは、新しいことを学ぶことです。私たち自身も現場出身なのでわかるのですが、業務が忙しい社員にとって新しいスキルを学ぶことは、心理的なハードルがないわけではありません。そこで、「現場の実情とのギャップをどのように埋めるか」を意識し、議論を重ねながら丁寧に進めていきました。

特にデジタル分野の学習には抵抗を感じる社員もいるため、いきなり新しい領域に挑戦するのではなく、まずはアップスキリング(既存業務のスキル向上)の要素を取り入れることにしました。具体的には、デジタルを活用して現在の業務をどう効率化できるか実践してもらい、その後で新しい領域の学びへとつなげるステップを踏むことで、スムースに学習を進められるよう工夫しました。

社員が身につけるべきスキルはどのように整理・定義されたのでしょうか?

中田 泰輔さん/まず、学習のマイルストーンになる「スキルマップ」を作りました。
最初に考えたのは、どんなスキルが必要かという“軸”です。大きく分けて、「ビジネス推進スキル」(課題を見抜いて解決する力)と、「デジタルスキル」(問題解決のための技術的な力)の2つが必要だと定めました。

次に、スキルの成長段階を整理しました。スキルは、ただ「知っている」だけではなく、実際に使えるようになることが大事です。そこで、以下の3ステップに分けました。

①「知識」(知っているレベル)
②「スキル」(知識を活用できるレベル)
③「知恵」(知識を人に教えられるレベル)

さらに、スキルを4段階のレベルに分け、それぞれのレベルで求められる内容を定義しました。
リスキリングの目標として、まずは「全社員がLevel2を目指す」ことを設定。そして、より専門的な技術を持つ社員を増やすために、Level3を社員の20%(約200名)に到達させることを目標にしました。

ツール選定のポイントはデジタルスキル標準に準拠したDXアセスメント機能

ゼロからのリスキリングを実施するにあたり、どのような基準でサービスやツールを選んだのでしょうか

中田 泰輔さん/リスキリングのためのツール選定で最も重視したのは、「この学習が本当に意味を持つかどうか」です。私たちの部署が中心となり、「ITパスポート取得支援」のようなサービスを含め、さまざまな選択肢を検討していました。しかし議論を重ねるうちに資格取得がリスキリングに直結するとは限らないという結論に至りました。
そこで、経済産業省が定める「デジタルスキル標準」を参考にしながら、社内で独自の学習ツールを構築できないか考えましたが、現実的にはなかなか難しい状況でした。

ちょうどそのタイミングで、『GLOBIS 学び放題』をはじめとするいくつかのe-ラーニングサービスが「デジタルスキル標準を基準に定量評価できる」という形で提供され始めたため、トライアルを実施して比較・検討しました。

『GLOBIS 学び放題』の導入の決め手となったのはどのような点でしょうか。

佐藤 環さん/学習した内容がどれくらい定着しているかを測るアセスメント機能があるかどうかは、非常に重要なポイントでした。この機能があれば、社員自身が学習の習熟度を把握しながら学習が進められるため、継続的な学びのモチベーションに繋がることを期待しました。『GLOBIS 学び放題』にこの機能があったことも導入の決め手になりました。

技術管理本部 技術管理部 シニアプロフェッショナル 佐藤 環さん

中田 泰輔さん/特に『GLOBIS 学び放題』のDXアセスメントは、経済産業省が定めている「デジタルスキル標準」に完全に準拠しており、想定時間内の学習で達成・結果の定量評価ができる点で、とても良かったです。

中田 泰輔さん/また、コンテンツの作り込みが「ちょうど良い」と感じたことも、『GLOBIS 学び放題』を選んだ理由の一つです。内容がかっちりしすぎなのは受講者にとって心理的負担が大きくなります。一方で、当社の社風を考えると、あまりにもカジュアルすぎるのは合いません。その点、『GLOBIS 学び放題』は適度なバランスを保っており、受け入れやすい学習設計がされています。

例えば、動画1本あたりの長さが約5分と短く、通勤時間などのスキマ時間を使って学習できる点も大きな魅力でした。他社の教材では30分間や1時間ほどノンストップで視聴するケースもあるため、視聴のハードルが高くなりがちです。以前、私自身も『GLOBIS 学び放題』を利用した経験があり、「ちょうど良い分量に区切られており短時間で学習しやすい」と感じていました。

また、グロービスが提供する「ラーニングパス」が数多くあるのも選んだ理由の一つです。目的別にコースがすでに選定・セットされているため、学習者が迷わずに目的に合ったコースを自動的に学べることはとても良いと思いました。現場目線からも『GLOBIS 学び放題』が学習を継続しやすいだろうという結論になりました。

片山 善郎さん/いくつか他社サービスも試行しましたが、特にデジタルリスキリングという観点でグロービスのコンテンツが適しているという評価もできたので、6か月プランを全社導入することにしました。

『GLOBIS 学び放題』をどの程度社員の皆さんに学んでもらうかなど、具体的な数値目は設定されたのでしょうか?

片山 善郎さん/2025年6月までに全社員がDXアセスメントを受講し、全社員が正答率を70%以上とすることをゴールとして設定しました。どのコンテンツを受講するかは社員に自由に選んでもらいましたが、この70%という基準は全社員にしっかり伝え、目標として共有しました。

受講率アップに繋がった、アプローチ施策

導入後、社員の皆さんの学習を定着させるためにどのような取り組みをされましたか?

片山 善郎さん/導入時には、グロービスさんとやり取りさせていただき、相談をしながら進めました。特に運用が始まってからは月に1回ほどミーティングを設定して、サポートを受けながら改善していきましたね。

佐藤 環さん/その中で、特に、「どのコンテンツを社員に観てもらうのがいいのか」について、グロービスさんから選定の視点などの提案をもらいました。DXアセスメントの正答率に目標を設定していたので、結果をどう社内に周知するかなど、太陽アプローチ手法についてもアドバイスいただきました。

具体的にはどのような方法ですか?

中田 泰輔さん/学習データが把握できるので、「誰がどれだけ学習しているか」を整理して部署ごとの上司に共有し「もっと応援してください」と働きかけました。ただ、私たちだけで運用していたら、この“北風的”な方法だけになっていたかもしれません。
また、DXアセスメントについても、最初は意外と多くの社員が一度は受けてくれたのですが、次に続かないという課題がありました。

そこで役立ったのが、グロービスさんのサポートです。彼らが伴走しながら、過去の実績から「もっとこういう方法がありますよ」と提案してくれたのが太陽アプローチでした。アドバイスをもとに太陽アプローチを取り入れ、社員を自然に引き上げていく形でサポートしました。

佐藤 環さん/例えば、slackを活用した情報共有がすごく効果的だったと思っています。DXアセスメントのスコアが70%以上であることと、社内で作ったBI基礎講座を完了すると「Level2」に認定される仕組みになっており、認定条件を満たすと「○○さんがLevel2に認定されました」と全社員が見れるslackで知らせるようにしました。また、親しみやすくするために、絵文字やフランクな言葉を使って周知するなどの工夫をしました。

さらに、トップ層も一般社員と同じように受講するほか、受講結果が社内で共有されるので、「どの事業部がどれくらい達成しているのか」がわかるようになりました。これが社員のモチベーションアップにも繋がったのではないかと思います。

中田 泰輔さん/また、社長がリスキリングの説明会で直接メッセージを発信してくれたのも大きかったですね。「なぜリスキリングが必要なのか」をトップがしっかり伝えてくれたことで、社員の意識も変わってきました。トップのメッセージと、周りを見ればみんな取り組んでいるという雰囲気が相乗効果を生んだのかなと思います。

佐藤 朱美さん/2024年の7月まで技術部門にいた立場から話すと、リスキリング施策が始まった頃は、社員には十分に伝わっていなかったように感じます。なぜやらないといけないのか、目的と意義がわからない状態でした。そんな中で、月に1〜2回ほど技術管理部からの「受講してくださいね」といったアナウンスや、上長などからも「時間を見つけて受講すること」「他の部署も頑張ってるぞ」といった呼びかけがありました。

部署内でも「よくわからないけれど、まずは合格しないといけないらしい」という雰囲気が生まれました。また、DXアセスメント受検について「どうだった?」「時間厳しかった」「意外とできたよ」といった会話がされるようになり、リスキリングに取り組む雰囲気づくりが進んだことで、最終的には受講率が高くなったのだと思います。

技術管理本部 技術管理部 技術管理課 シニアアソシエイト 佐藤 朱美さん

中田 泰輔さん/DXアセスメントの達成基準として正答率70%という基準を明確に示したことで、社員の間で目標を共有しやすくなったと思います。
70%を取れたかどうかが社内のあちこちで話題になりました。最初、トップ層からは「80%は欲しい」と要望もありましたが、私たちも含めて数名が事前に受験して、現場の感覚として「それは厳しくないか」という意見が出て、最終的に70%に落ち着きました。結果的に、それがちょうどいい目標になったと思います。

佐藤 環さん/確かに70%という設定は、絶妙だったと思います。80%では達成が難しい、かといって60%では簡単に達成できる目標だったのではないかと思います。社員のモチベーションも維持しやすい目標だったと思います。

施策として70%基準を設定したり、経営層や上司もリスキリングの対象者として全社員で取り組むといったことも成果に繋がったのですね。他に、機能面で良かった点はありましたか。

佐藤 朱美さん/『GLOBIS 学び放題』のリコメンド機能がとても良かったです。DXアセスメントの結果から「あなたの学習が足りないところはこのテーマなので、この動画を見ましょう」とコースをおすすめしてくれるので、学習がしやすかったです。
『GLOBIS 学び放題』は社員それぞれが自由にコンテンツを選んで学ぶ形式ですが、個々のレベルに合った動画をリコメンドしてくれる機能も備わっているため、さまざまなレベルの人が効率的に学習を進めることができると感じました。

佐藤 環さん/社員が受講したコースのカテゴリを見てみると、やはりDX領域が中心で、「テクノベート系(テクノロジー(Technology)”と”イノベーション(Innovation)”を組み合わせたグロービスの造語)」のコンテンツを選ぶ人が多かったです。
一方で、思考・マネジメント・マーケティングなど、幅広いジャンルに取り組んでいる人もいました。おそらく、DXリテラシーアセスメントの結果を見て「自分にはこの分野の知識が足りないな」と気づいたことで、より多様な分野の学習に繋がったのだと思います。

興味深いのは、学習の進め方が人それぞれ違うことですね。一度もコンテンツを見ずに高得点を取る人もいれば、何度かチャレンジして70%に到達する人もいます。どのようなやり方であれ、社員自身が学習のコースやスタイルを選べる環境を整えたことで、結果として社内全体のスキルアップに繋がっているのではないかと期待しています。

目標は、習得したデジタルスキルを共有し、自律的にレベルアップする組織に

70%の正答率達成者がどんどん増えていると伺いました。当初の想定よりも早く成果がでたという印象でしょうか。

中田 泰輔さん/はい、正直、最初はそこまで早く達成しないだろうと思っていたのですが、実際には受講率99%、正答率70%以上については全社員の86%以上(2025年1月時点)が達成していています。「こんなに早く大半が達成するなんて」というのが正直な感想です。残りの約14%には、年度末の繁忙期が終わる春以降に改めてサポートしていく予定です。

『GLOBIS 学び放題』には常に新しい機能やコンテンツが増えているので、70%を達成した社員にも「さらにビジネス面での課題解決に活かせる分野を学んでみては」と促しているところです。リスキリングはデジタルスキルを身に着けることだけがゴールではなく、実際の課題解決に活かすための手段ですから。

定量的な成果だけではなく、定性的な成果もありましたか?

中田 泰輔さん/はい、ありました。社内独自で作ったe-ラーニングのBI基礎講座は、当社の事業に寄せた事例を取り入れるなどの工夫をしました。この講座を受けた社員からは「BIツールの必要性や便利さがよくわかった」という意見が出てきました。今後も継続的に情報を発信し、少しずつ意識を高めていければと思っています。

また、研修の最後にアンケートを取ると「もっと勉強したい」という意見もあり、「あ、意外とみんな活用しようという意識になっているな」という手ごたえも感じ、まずは活用促進の1歩として機能したのかなと思います。

今後も定量的な成果だけではなく、社員の間で「BIって何だろう」「リスキリングが必要だよね」という認識を浸透させたいと思います。

最後に、貴社の今後の取り組みについて教えてください

中田 泰輔さん/『GLOBIS 学び放題』を導入した当初は、「業務にすぐ活かせるデジタルスキル」を入り口にしないと、社内に定着させるのが難しいという意見もありました。しかしリスキリング計画における目的は常に変化する社会のさまざまな課題に対して、デジタル技術を活用してどう解決するかです。この目的を達成するため、各自が習得したスキルを共有して、自律的にレベルアップしていくことが必要です。まずはLevel1からLevel2にする取り組みとして、デジタル技術に関する『知識』を身に着け、活用してもらいました。
今後は『知識』をさらに活用し、『スキル』を社内の仲間に共有できるLevel3を目指す社員を全体の20%ほどまで育てていきたいと考えています。

スキル面では、すでに高い能力を持つ社員が当社にいます。ただ、リスキリングで重視しているのは、それらのノウハウを周囲に展開できるかどうかです。Level3の定義にもあるように、「デジタルスキルを駆使しながら顧客課題を解決し、仲間にもスキルを伝達する」という部分が非常に重要です。スキルは高くても、自分の中だけで完結してしまうケースが多いため、そこを体系的に伝えられる環境を整えるのが今後のミッションですね。

片山 善郎さん/DX推進室の事例として、デジタル技術を活用した業務の効率化・高度化を進めている例があります。ドローンの活用は建設業界でも注目されていますが、推進室のメンバーがドローン操縦の国家資格の免許(二等無人航空機操縦士)を取得し、調査データを3次元化して業務に活かしています。その知識を活かして自主的に社内研修を立ち上げ、他の社員に教えているという事例がでてきています。

こうした社員は、今後社内で「Level3」に相当する役割を果たし、より大きな活躍をするのではないかと思います。自分の知見を自ら他の社員に広めていく姿はまさにロールモデルですね。こういった社員を社内に増やしていきたいと考えています。

中田 泰輔さん/基礎的なデジタルリテラシーやBI活用は当期の取り組みとして進めていますが、次に大きなテーマになるのは「AIをどう業務に活かすか」です。Level2で終わらず、さらに上を目指して、継続的に取り組んでいきたいと思っています。

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